大阪のボイストレーニング~発声時の声帯の場所と動きについて~その②

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大阪のボイストレーニング~発声時の声帯の場所と動きについて~その②

2020/03/13

大阪のボイストレーニング~発声時の声帯の場所と動きについて~その②

前回のおさらいは上記のボタンよりどうぞ

前回の記事では、声帯の場所について書いてみましたが、どうでしたか?

何となく場所のイメージができるようになりましたか?

今回はその【声帯】の実際の動きについて書いてみますね。

声帯の動きについて

声帯が動くとは?

⇒前回の記事でちらっと書いておりました声帯の動きですが、もう一度!

声帯には二枚の弁があり、大きくは開閉の動きをします。

この時、

 

 ●開いている⇒普段の呼吸時の状態です。二枚の弁は開いておりますので、空気のみが通り、響きが出ることはありません。

 ●閉じている⇒二枚の弁が閉じられており、ここに空気が送られることにより弁が震え、発声~音である【響き】が出てきます。

 

※閉じている時のイメージがしにくい場合は、リップトリルで唇がブルブル震える状態、もしくは葉っぱ笛で息を吹き込んだ時に震える状態を想像していただきますと分かりやすいと思います。

 

 

開閉時の声帯の状態

開閉時の声帯の形は以下の図のようになります。

 

開いている時

図の上側=前方方向になります

こちらが呼吸時の声帯の状態となります。二枚の左右の弁が開いているのが分かります。この開いた状態により、気道を邪魔するものがないため、響きが出ることはなく、空気のみの通り道となります。

 

画像引用日本ボイストレーナー連盟

閉じている時

図の上側=前方方向になります

こちらが声や響きがでている発声時の声帯の状態となります。二枚の左右の弁が閉じているのが分かります。この閉じた状態に空気が送られることにより、弁が震え響きとなり、お話声や歌声となります。

 

画像引用日本ボイストレーナー連盟

声帯が動くとどうなるの?

声帯の閉鎖度が声の種類になります

声帯の閉まる度合いにより声の質が変わります。

上記図右側(or下側)の発声時の状態を軸に、ここに、

 

 ●声帯に隙間が出来る・・・裏声、ファルセット

 ●声帯の隙間がほぼ無い状態、ピッタリくっついている・・・地声、チェストボイス、エッジボイス

 ●声帯に少しだけ隙間がある・・・ミドルボイス、ヘッドボイス、ミックスボイス

 

という風に声の種類が変化します。

 

 

声帯の構造

例えば腕が【骨】・【筋肉】・【皮膚】の三層で出来ていますように、声帯も中側から、【声帯筋】・【声帯靭帯】・【ラインケ腔】・【粘膜上皮】というパーツで出来ております。

 

 ●声帯筋・・・声帯の肉部分

 ●声帯靭帯・・・声帯が閉鎖した時に一番内側に当たる場所にある筋のようなもの

 ●ラインケ腔・・・鶏のとさかのようなもので、弾力部分になります

 ●粘膜上皮・・・口内の粘膜部分と同じようなものと思ってください

 

※ラインケ腔や粘膜上皮は、響きを構成する際に必要な場所となります。

もし粘膜上皮が渇いていたり、ラインケ腔の水分バランスが崩れたりなどして浮腫みますと、ガラガラ声の原因になります。

声年齢の大切な部分にもなりますので、風邪などでバランスが崩れた時は無理な発声はしないようにお気を付けください。

 

 

音程の変化は、声帯の使用パーツと震える場所が変化します

音程により主に使用される筋肉と、声帯を響かせる箇所は、

 

 ●低音(地声)・・・声帯筋を使用、声帯全体が震えます

 ●中音(ミドル・ミックス)~高音(ヘッド・ミックス・スーパーヘッドボイス・ホイッスルボイス)・・・主に声帯靭帯を使用、高音になるにつれ、声帯の前方の一部のみが震えます

 

このように音程と共に使用場所が変化します。

この声帯靭帯の使用時は、声帯筋及び周辺の筋肉を使用することで声帯靭帯がピンと伸び、高音時の発声にはもちろんのこと、声質(固さ)にも繋がっていきます。

番外編!

シャウト・スクリーム・デスボイスは声帯を使わない!?

ロックやソウルや演歌、デスメタルやグラインドコアなどでも多用されている、上手く使えばとってもカッコイイシャウトやスクリーム、デスボイス、上手く操ってカッコ良く歌う歌手の姿を見て、見よう見まねで真似してみたりしたことはありませんか?

実はこの技、声帯は使いません!

 

 ●シャウト・スクリーム・デスボイス・・・仮声帯

 

という名の、声帯より少し上部にあるヒダ部分を使用します。

この発声法も追及すると奥深いので今回は簡単になりますが、声帯を使ってしまいますと、喉を潰す原因となってしまいます。

もし、シャウト・スクリーム・デスボイスを自宅練習で出せるようになりたい方は、仮声帯の場所(声帯の少し上)をしっかり意識していただき、間違えて声帯で発声しないように、くれぐれもお気を付けください。

この発声法は正しく使っても中々喉部分に負担をかけてしまう発声技術であり歌唱法となりますので、もし練習される際は、少しづつから始めてみてください。

声帯を操れるようになるために

感覚で使えている方も多いと思いますが、声帯をしっかり操れるようになりますと、

 

 ●声そのものを操れます

 ●音程を操れます

 ●喉の負担を軽くすることができます

 ●喉の状態も把握しやすくなります

 ●綺麗な声になります

 ●無駄な力が抜けます

 ●顎や舌が疲れにくくなります

 ●滑舌が滑らかになります

 ●肩こり・首こりの予防にも

 

と、いいことが沢山!

ということは・・・、

 

 ●音痴に悩んでいる

 ●高音or低音が苦手

 ●音程の移行が苦手

 ●声がひっくり返りやすい

 ●裏声になると、か細い声になる

 ●喉を痛めやすい

 ●耳障りな声になりやすい

 ●アゴが疲れやすい

 ●舌が疲れやすい

 ●滑舌が悪い

 ●歌ったり話したりすると肩こり・首こりになりやすい

 

上記に該当される方、声帯の動きが分からずの原因でそうなっている可能性もあります。

そのため、場所や動きを知ることで、変化の期待も大きくなりますので、もしかしてそうかもしれない?と、話や歌っている中で、何となく引っかかりを感じたりをされたことのある方は、一度声帯の動きの中で使い方を間違っていないかを気にしてみてください。

詳しく知りたい方は、ボイトレに行かれてる方はボイストレーナーさんがよく知っておりますので、トレーナーさんに直接教えてもらうと分かりやすいと思います。

また、ボイストレーニングをしたことがない方、実際のレッスンを通じて体感したい方は、エイルミュージックスクールでは無料体験レッスンを随時行っておりますので、気になられましたらお気軽にお越しくださいね。